カラーひよこの歌


カラーひよこが可愛くて
いつも見るたび見惚れてしまった
今でも飼いたい
カラーひよこ

触っちゃ死ぬよと脅されたから
見ているばかりで触れられなかった
手の上にのせて頬ずりしたい
キスしたい
カラーひよこ

あの日のひよこは
全員ニワトリになれたのかしら
赤いのも 緑のも
あの日のひよっこは
いつもまにやらオトナになって
カタオモイして失恋して初体験を覚えた時から
あとは転がるように
みるみるうちに立派に汚れていきました
ふわふわの産毛もとうに失くせました
箱の中で
ピヨピヨ鳴いて

あの日の
あの日の可愛いカラーひよこは
めんどりや
おんどりになれたのかしら
箱から出て行って
土の中のミミズを食べて
草陰で卵を産んだのかしら
卵なんて産まなくたって素敵な恋人と一緒に
わらの布団で眠れたのかしら
ピヨピヨと鳴くしかなかった
小さい弱きもの達は
いつか
力強い声でコケコッコーと歌えたのかしら

縁日の片隅で
売られていたカラーひよこ
魔法をかけられて鳴いていたのは
ひよこかな
あたしなのかな

頭にのせて歩いてみたい
ひよこと一緒に眠りたい
いまも恋しい
カラーひよこ